第六章  強力(ごうりき)・武蔵

巌流島での決闘で 武蔵は船の櫓で小次郎と闘った

櫓の重さは 刀の三倍もある

それだけの重い櫓を 刀替わりに使えるだけで勝負ははっきりしていた

やれ決闘の時刻に 武蔵は わざと遅れた 

やれ太陽を背に向けて 小次郎の目を眩ました

そんなことは 後日の創り話しだ

いくら 小次郎の剣術が優れていても 勝負にはならない

ボクシングでテクニシャンのフライ級チャンピオンが ヘビー級のただのボクサーと闘うようなものだ

武蔵の決闘は剣術ではない あきらかに喧嘩だ

喧嘩にルールなどない

戦争も喧嘩だ ルールなどない

ただの 殺し合いだ

武蔵が 太平洋戦争の最高司令官だったら 原爆を落とされるようなことはなかっただろう