第四十一章  最強軍団―5

黄門さまは 家光より20才以上若いが 江戸での評判は極めていい

それが家光には気に入らない

そこで 水戸家だけは 御三家からはずして 将軍の目を摘み取ってしまった

それ以来 水戸家は 常に副将軍だ

尾張と紀州が将軍家を継ぐ資格を持つ

しかし 結果的には 尾張からは とうとう一人の将軍も生まれなかった

八代将軍吉宗からは すべて紀州家の流れを引く御三卿から十四代家茂まで続く

最後の将軍 慶喜になってはじめて 水戸家から将軍になるという異例の出来事だった

しかし 尾張家からは 一人も将軍にはなっていない

水戸家は 徳川の血を引いてはいるものの 尊王思想があった

それは まさに 大日本史 を編纂した 黄門さまから 始まった思想だ

東西 朝廷貴族社会と武家社会とが 相克すると必ず世が乱れることを知った黄門さまは

権威としての 天皇家を 尊ぶことが 日本の平和を維持することになると知っていた

ところが家光は 足利義満と同じ考えを持っていて 天皇を認めない

足利義満も 結局 彼の死後 室町幕府は崩壊の一途を辿っていった

黄門さまは その二の舞を踏まぬため 家光の将軍失脚を狙った

それを 支えるのが 最強軍団だこれが 後の世に 黄門漫遊記になっていく

家光失脚の シナリオは 着々と進められていく