第三十三章  最強トリオの国盗り物語−2

柳生兵庫助は 尾張家指南役だ

だが 以前 武蔵が 江戸柳生の総帥である柳生但馬守と対戦したことは

知らされていなかった

江戸柳生と尾張柳生は 徳川将軍家と尾張ご三家筆頭との確執に巻き込まれて

反目し合っていたからだ

そこで 半蔵が 但馬守が 公望様の前で 武蔵に敗れたことを 洩らした

兵庫助は してやったり と喜んで 武蔵との対面を望んだ

そして 剣の修行する両者は 当然のことながら 立ち合うことになった

兵庫助は 我こそは 柳生新陰流の元祖なりという自負と自信がある

そこが 最強トリオのつけ目であった

立ち合った ふたりは 当然のことながら 武蔵が上段から打ち込み兵庫助が 

真剣白羽取りで受けた

但馬守の時と同じだ

だが ひとつだけ違った

武蔵は 兵庫助に受けられた木刀を それ以上打ち下ろさず止めていた

兵庫助も 武蔵の打ち込みの凄さを感じ 受け止めるだけで 精一杯だった

勝負は 引き分けに終わったが 兵庫助は 内心歓喜した

まんまと罠にかかった兵庫助は 最強トリオをもてなし 尾張藩主に引き合わせた

尾張藩主も最強トリオを 大変気に入り 惜しみない援助をすることを約束した

さああ 今度は 紀州ご三家への くさび打ちだ