第三十二章  最強トリオの国盗り物語−1

武蔵 日吉 半蔵三人が揃えば これは最強トリオになる

軍隊で言えば 武蔵が陸軍 半蔵が空軍 日吉が参謀本部だ

結局 人間といっても 所詮 知力腕力すなわち力の強いのが勝つ

三人は 伊勢を通って 尾張に入った

尾張は御三家筆頭の大大名だが 一番内紛の多いので有名だ

三人は まず尾張家を手玉に取る策を考えた

尾張は 将軍家をいつも目の敵にしている そこがつけ目だ

ここは 将軍家お庭番の半蔵の出番だ

半蔵も 将軍家お庭番と言っても 伊賀の里では格下の柳生家にあごで使われている

それが半蔵には気にいらない

ところが 大目付柳生但馬守は犬猿の仲の尾張家にも柳生一族を送り込んでいる

柳生兵庫助利厳と言って 十兵衛三厳の従兄弟だ

十兵衛は 柳生一門屈指の剣客だと言われているが

実は隠密支配の役割を以って 全国をくまなく調べ回っていた

そして従兄弟の柳生兵庫助と徳川将軍家と尾張家との対立原因をつくりあげていたのだ

柳生一族が ただの 忍び上がりだったのを ここまで昇りつめたのは

但馬守のこの権謀術数と言えば 聞こえはいいが

つまり 二股膏薬の権化だったからだ

但馬守は 以前 白隠和尚の松蔭寺で 武蔵と立ち合って負けている

半蔵は 柳生兵庫助に 父の但馬守を破った武蔵が尾張にいると伝えた

兵庫助は 剣術にかけては 十兵衛よりも自分が上だと自負していた程の自信家だ

事実 柳生新陰流の創始者は兵庫助だ

さっそく 半蔵に 武蔵との対面の計らいを命じた

まんまと 罠にはまったとは知らない兵庫助を横目に

最強トリオの陰謀ゲームの幕が切って落とされた