第三十章  武蔵の新しい仲間

武蔵は 半蔵の強靭な体に 驚いた それは意志の力で つくりあげたものだった

半蔵は 武蔵の柔軟な体に 驚いた それは修羅場を踏んで つくりあげたものだ

そこに ふたりの生きてきた道の違いがあった

日吉は はじめて 人間にとって 何が大切なものかを知った

天下を 自分のものにした日吉が ふたりを 羨ましく思った

それは 彼らが得たものは 永遠のものだ

日吉の得たものは 浪速の夢のまた夢でしかない

人は たいてい その夢を現実だと勘違いし 日吉のような人間におもねる

だが このふたりは 決して いかなる人間でも おもねることはない

それが 永遠の自由を得た人間だ

結局 世の中の 自分以外のものは みんな 夢のまた夢

武蔵と半蔵 そしてその間に日吉がいる