第二十九章  武蔵・半蔵

伊賀の里に入った ふたりは 運よく 服部半蔵に会うことが出来た

今では 御公儀お庭番の頭目だ

巷では 公儀御指南役の柳生よりも 半蔵の方が強いらしい

しかも 服部家は 柳生家など足下にも及ばない 物部の血を引く家柄だ

公望さまの家柄でも 足下に及ばない

今まで出会った剣客で 一番迫力のあるのが 半蔵だと武蔵は思った

長刀であろうが 櫂であろうが 決闘は殺し合いだ

その中で 実戦にかけては  忍びの術に 敵うものはない

半蔵は 武蔵に 尋ねた

貴殿は ニ刀流の達人と言うが よくあれだけの 重さの刀を 二本も使えるのう

よほど 腕力が強いのであろう

いや 貴殿のように いっぱいの武器を体につけて 軽業が出きるのは

よほど全身の筋力が強いのであろう と武蔵は言った

それでは 一勝負やってみるか ということになった

日吉は これは 楽しみだと 喜んだ

道場でふたりは向かい合った 日吉は息が詰まりそうになった

その瞬間 ふたりは えい!と気合をかけた

一瞬 目をつぶった日吉が 目を開けて びっくりした

ふたりは 丸裸で 筋肉の見せ合いをしていた

そして 笑って これも果たし合いと言った