第十四章  不能者・武蔵

武蔵は三十七才 白隠は七十七才

武蔵は女嫌い 白隠は女好き

武蔵は頑健な体 白隠は虚弱な体

武蔵はいつも鍛錬 白隠はいつも怠惰

武蔵は強靭な意志の持ち主 白隠はいつもころころ変わる

武蔵はすべてを熟達している 白隠は何も出来ない

ある日 武蔵と白隠が一緒に 楼閣に出かけた

白隠が 引っ張り出したのだ

座敷に上がると 綺麗どころがずらっと並んでいる

白隠に 寄り添った女が びっくりした

やああ この坊さん まだ立派な男はんや

武蔵に 寄り添った女が びっくりした

やああ この若い人 もう男やあらへん