第十二章  沈黙・武蔵

ある日 白隠は 座禅をしていた

その時 武蔵は 庭で薪を割っていた

武蔵が かあーんと 美しい音色で薪を割る

かあーんと 音が鳴るたび 白隠は ぱちっと 目を開ける

かあーん ぱちっ かあーん ぱちっ かあーん ぱちっ

そのうち ぱちっ が先になって かあーん が後になった

薪を割る武蔵も 座禅をする白隠も どこにもいなかった

あるのは ぱちっ と かあーん だけ