第一章  少年武蔵(たけぞう)

武蔵は 腕相撲が得意だった

とにかく自分の体の倍もある者と 腕相撲で負かす

棒を持たしたら 剣を持った侍でもかなわない

ふりかざす武蔵の棒が 侍の剣を折ってしまう

剣客相手でも その鋭い太刀さばきを 棒の勢いで跳ね飛ばす

結局は腕力だ と武蔵は思った

剣の精神修行など まったく価値がない

それより 腕力を鍛えた方がいい 

これが 武蔵の信念だった

戦に駆り出されたときも 武蔵は 馬上の武将を三人もやっつけた

知らぬ間に 戦いの間を体得した武蔵は 戦う相手を求めて旅を始めた

武蔵 十七才の冬だった

さあ これから 宮本村の武蔵の伝説が始まる