「授業料」を払わされ続ける日本

1991年12月にソビエト連邦が正式に滅んで、この地球上から共産主義の嵐が去りました。
それなのに日本はこのあともずっと、ずるずるとアメリカの言いなりになって、「超低金利」と「円高」を受け入れ続けている日本の対応は余りにも無様であります。
その上に1988年から1992年にかけて、日本の大企業は有頂天になって国内に溢れかえった資金をつぎ込んで、アメリカの企業やら高層ビルを買いまくるという、今から思えば狂気の沙汰としか思えないことをやったのです。
日本国内にあふれた「過剰流動性」という名の投資先を失った余剰資金が、土地と株式と債権投資に流れ込み、バブル経済の大饗宴を演じたわけです。
それでも余った資金がアメリカや東南アジアに流れ出していった。
アメリカは、ソビエト連邦との冷戦を続けるため、世界各地で過大な軍事出費が嵩みベトナム戦争以来ずっと経済力が衰え、すっかり疲れ切っていました。そのような状況下、無自覚に日本の大企業が余った資金に飽かせてアメリカの大企業を次々に買収して回った結果、アメリカは、CIAの『2000年レポート』で「日本を危険な国」として認定し、このときから増長した属国・日本を叩きのめすための戦略と日本研究に、官民一体となって本格的に取り組んだのです。
真珠湾攻撃の直後に、アメリカ政府が学者を結集して、徹底的な敵国・日本の研究を始めたこととよく似ています。
その成果のひとつがルース・ベネディクトの書いた日本人論の名著「菊と刀」であり、日本人捕虜からの面接聞き取り資料を基に、文化人類学の方法を駆使して「日本人とは何か」を分析し尽くしているのです。
バブル崩壊後の成り行きは、新聞が伝える通りであります。
ソニーがコロンビア映画を一足先に買収してアメリカで派手にやっているのにつられて、松下がユニバーサル映画を買収したが、2年後には7000億円の損失を出して、ハリウッド映画業界から撤退した。
三菱地所は、ニューヨークのロックフェラー・センタービルを買収した挙句、4000億円の損を出した。
タイヤメーカーのブリヂストンは、ファイアストーン社をよく調べもせずに買収して、蓋を開けてみたら不良債権が山ほど出てきた。
おまけに日本資本の支配に反対する従業員組合のストライキと妨害行動に悩まされ続け、大統領の仲裁命令まで出て、ブリヂストンは3000億円の損害を出した。
それまで優良企業だったブリヂストンは、国内の従業員のための保養施設や保育所まで閉鎖して従業員は給料値上げなしに何年も耐えた。
一事が万事このような状態で、1992年から1995年にかけて、80年代末のバブル景気に沸いた“宴のあと”の海外資産買いの大失敗で、日本企業が受けた手痛い「授業料」ともいうべき損失は、優に100兆円を超えていたのです。
まさに日本にとって、1990年代は「失われた10年」であったわけです。
ところが、2000年代に入って、「いざなぎ景気」を上回る史上空前の景気で、これらの大企業が再び、業績を伸ばしている。
果たして、この実態は実業なのでしょうか、それとも、バブルのような虚業なのでしょうか。
一般大衆や中小企業が一向に感じられない好況感は何故でしょうか。
「格差社会」の実体がここに隠されているように思えてなりません。
やはり、アメリカの傀儡である日本の為政者たち、つまり、政・官・財の連中だけが甘い汁を吸う社会になってしまっているようです。
彼らが、わたしたち日本国民をアメリカに売り飛ばしたのが真相でしょう。