大蔵官僚腐敗(3)「私物国家」 広瀬隆 著 より抜粋

このように無責任な作業が、現役大蔵官僚と天下り、とりわけ徳田のように“銀行局長”だった人間の仕事であれば、日本の銀行がこれからいくら倒産しても不思議ではない。
問題があるのは、消費者金融だけではない。
大蔵省から監査法人に移り、会長職について、ほとんど何もせずに何千万の年収を得ている者がいる。
何を目的に彼らが天下りとして迎えられるかといえば、大蔵省や外部人脈との裏工作のためなのである。
ここに暴力団が直接介在していることが、最大の問題となる。
こうして、日本の銀行界だけで、不良債権が100兆円を突破したのである。更に、この金額を知っていたはずの経済ジャーナリストたちが、日々の経済記事のなかで大蔵省の言葉をそのまま紹介し、国民を欺く役割を果たしてきた。前述の“武富士から未公開株”の譲渡を受けていた文筆家や評論家が、経済分野にぞろぞろいると言われている。
これは報道の犯罪である。
なぜそのようなことまで書かなければならないかといえば、相場にまったく門外漢の筆者でさえ、日本の銀行界の不良債権が100兆円を突破していることは、3年前から知っていた。
すでにアメリカのウォール街を動かすマーチャントバンクのソロモン・ブラザースなどが、ホワイトハウスにその金額を通告し、日本の金融界が莫大な不良債権を隠している、と警告を発していたからである。
それは、あらゆる英字新聞に書かれていた。
ところが日本の新聞には、それが書かれていなかった。
一体、武富士から未公開株の譲渡を受けていた経済ジャーナリストや経済評論家とは、誰だったのか。
そうした人間が、インサイダー取引きで逮捕されないのは、不条理である。
またそうした人間が、いまも報道界で活動している。
誰かが背後にいなければそうした非常識はあり得ない経過であるので、報道界そのものに、大きな疑惑がかかってくる。