驕る平家久しからず「政官革命を起こせ」 森田実 著 より抜粋

97年に入って日本国内でもこうした見方が広がりはじめているが、しか日本国内には、とくに日本の政界、官界、財界のなかには「日本不滅」神話を信じているものが少なくない。
80年代から今日までの約15年間、私の周囲には「ジャパン・アズ・ナンバーワン」の影響を受けた人びとが非常に多くいた。
私が日頃接するのは政治家、エリート官僚、経済人、ジャーナリストなどである。
「『ジャパン・アズ・ナンバーワン』は錯覚にすぎない」と言いつづけてきた私は最近まで完全孤立の状況に置かれていた。
数年前、ある政治家(自民党)は私にこう言った。
「アメリカの経済はもうダメだ。経済がダメになれば国は乱れる。もうあの国はおしまいだ。日本が面倒を見てやらなければならなくなった。経済は日本がナンバーワン。21世紀は日本が世界を引っ張る時代だ」
私はこう切り返した。
「先生はジョークがお上手ですね。資源もなく十分な軍事力もない日本が世界のナンバーワンになれるわけがない。石油がストップすれば日本はおしまい。資源のない日本が豊富にあり自給自足できるアメリカに勝てるわけがない。冗談を言うのはやめてください。日本がいいのはいまの一時だけです。調子に乗ったら足をすくわれますよ」
すると相手は言った。
「君は何も知らないね。もう少し勉強したまえ」
似たようなやりとりは何人かの官僚とのあいだでも経験した。
だが「驕る平家久しからず」である。
80年代の円高で思い上がった日本の政治家・官僚・経済人がその後経験しているのは「平家物語」ではないだろうか。
しかし、このことにまだ気づいていない者が少なくないのである。
それにしても海外の新聞を読んでいてつくづく感ずるのは内外の認識の違いである。
内外の日本観には大きなずれがある。
この原因はどこにあるのだろうか。

やはり島国だからであり、織田信長の先見の明を摘み取った徳川幕府250年の鎖国は、日本のみならず、アジアをも近代世界の中で遅れを取らせた最大の元凶であります。