責任を取らなかった大蔵省のエリート官僚たち‐「これでも国家と呼べるのか」小室直樹 著より抜粋

鉄建公団の官々接待と、大蔵省の空出張事件の例を見て朝日取材班は「大蔵省のキャリアは骨の髄まで腐っているんじゃないか」と暗い気持ちになる。
骨の髄まで腐っているのは、大蔵省のキャリアだけではない。
大蔵省の官僚機構そのものが、腐蝕しはてた、骨の髄まで腐ったのであった。このことは、その後の処分によって立証される。
この事件で処分されたキャリア官僚は、
長岡 實・事務次官 <戒告>=前東京証券取引所理事長
松下康雄・官房長<戒告>=日本銀行総裁
小粥正巳・大臣官房秘書課長<訓告>=公正取引委員会委員長
角谷正彦・主計局主計官<訓告>=中小企業金融公庫総裁
尾崎護・主計局主計官<厳重注意>=国民金融公庫総裁
などである。(<>内は処分の内容。=は平成7年7月現在の職)
局長級が大勢ごちそうになっているのに、実行行為者として処分されたのは下の方だけで、幹部はきれいごとの「監督責任」を問われただけ。
すなわち「幹部の実行行為は免責とし、下部に押しつけた格好で処理した」
下の人びとは重く処分されたのに、松下康雄氏はじめ、上の人はおとがめなし。
それどころか日銀総裁にまで上りつめた。
それよりも問題なのは、その後の人事展開である。
小粥、尾崎両氏は最終的には事務次官、角谷氏も国税庁長官の処遇を受けた。
これは大蔵省が「世論」に対してこう宣言しているということである。
「あなたたちがいくら大蔵省のスキャンダルを暴いたところで、私はビクともしません。事実関係を調査するのも、処分するのもわれわれです。微罪ですませばいいんです。しかも処分された人間は狂犬に噛まれた人と一緒ですから、私たちはその後の人事で手厚く保護します。大蔵官僚にかみつく「世論」など何の効果も生まないのです」

これでも日本国民は、官僚たちに餌を貰っている自民党政治家に投票するのですか。
目覚めよ!日本人!