ただちに大蔵省を解体せよ!‐「これでも国家と呼べるのか」小室直樹 著より抜粋

榊原局長の国賊的行為
大蔵省の措置が不適切であって、ことをもっと悪い方向へもっていってしまうことについては考えてもみなかったのか。
なにしろ、経済音痴、国際音痴の大蔵省ではないか。
はたして、大蔵省銀行局は、アメリカの法律も慣行も知らなかった。
ルールに反して、大蔵省は、大和銀行から不正の報告を受けながら、米当局に6週間も通報を怠ったのであった。
通報を怠ったことに関する榊原英資国際金融局長の説明が、日本の金融機関と当局の信用を、泥土に落とした。
榊原局長は通報遅延の理由説明で、何と、「日米の文化の違い」に言及し、「対米連絡の遅れについては不適切な措置は何もなかった」と述べた。(「ニューヨークタイムズ」10月13日付けほか)この説明には、米下院公聴会で非難が集中した。
米国側では今や「大蔵省は大規模な不正事件を米側に6週間も隠して、国際協調と信義とを破り、『文化の違い』を口実にその非さえ認めない」という認識が定着してしまった。
この、「文化の違い」という説明は、大蔵省が自由市場について何も知らないことの告白である。
自由市場においては、完全情報が前提である。
何の法律もルールもなくても、それは当たり前のことである。
それと正反対の解釈をして、通報を遅延するとは、これは文化の差ではない。自由市場の何たるかを知らない白痴的無能ぶりが招来させた結果にほかならない。
ある記者は伝えた。
「大蔵省はいま、金融行政に関して自由喪失に陥り、何をしていいか分からなくなっている」。
なにゆえの自由喪失か。
大蔵省も誰も、本当の理由は知るまい。
本当の理由は、大蔵省が経済と経済学とを知らないからである。
自由市場を知らないからである。
それゆえに、前資本主義的金融システムを資本主義に適うものに引き立てようとはしてこなかった。
ちなみに、この榊原英資という男、昭和60年、理財局国庫課長として「昭和天皇在位60年記念10万円金貨」発行を画策した人物である。
だが翌年に発行された金貨の原価は4万円。
販売価格の10万円とは6万円の差があった。日本経済バブル化第一号の事件を起こした犯人だが、ここに逸早く着目した海外の偽造団は偽金貨を大量に偽造。
結局、大蔵省内でも見通しが甘かったということで、回収策を講じることになった。
だが、この大事件を犯した榊原は、国際金融局長に上りつめ、日米交渉の最高実務責任者となっている。

因みに、榊原英資氏は厚顔無恥にも現在慶応義塾大学教授の肩書きを有しています。