第九章 階層の歴史

西暦1071年〜1272年:十字軍遠征。
西暦1192年:武家政権のはじまり。
上記歴史的記述は、階層構造を持っているはずの本来の歴史では、一体どういう記述になるでしょうか?
まさに、
『今、ここ』、すなわち、この論述を書いている西暦2015年7月19日午前3時36分において、イスラム国とアメリカが敵対同士としてテロ戦争を繰り返す結果、世界には数千万におよぶ犠牲者が発生しているが、その原点は、西暦1071年にローマ教皇ウパニス二世が決定した異教徒イスラム教徒殲滅を目的にした十字軍遠征開始に帰結するのである。
一方、
西暦1192年:武家政権のはじまり。
まさに、
『今、ここ』、すなわち、この論述を書いている西暦2015年7月19日午前3時36分において、日本という国で、ますます、世襲・相続の既得権を行使することによって起こる格差現象の原点は、西暦1192年にそれまでの貴族(天皇)支配体制に加えて、百姓出身である武士が支配体制に加わったことに帰結するのである。
従って、
過去の事象(ここでは西暦1071年〜1272年:十字軍遠征や西暦1192年:武家政権のはじまり)が連綿と、『今、ここ』に実在する自分に直接関係してきていて、更に、将来の自分にも大きく関わっている、という理解に至ることができるのが、階層の歴史の意義に他ならないのです。
まさに、
スペインの哲学者ホセ・オルテガが100年以上も前に喝破した、“歴史とはすべて現代史である。”が依拠する所以に他なりません。
まさに、
『今、ここ』に実在する自分を基点にしての歴史観が、歴史学の核なのです。
そして、
知識を羅列するだけでは科学と言えないのと同じで、歴史的事象を羅列するだけでは歴史学にはならないのであり、『今、ここ』に実在する自分と関わりを持ってはじめて意味を持つのです。
そして、
時系列的記述をする歴史に階層があるということは、時間にも階層がある証明になるのです。
まさに、
この発見は革命的です。