第六十八章 ボタンのかけ間違いの張本人

われわれは、加齢と共に老け、病気になりやすく、死に近づいている事実が歴然と眼前に横たわっていることは確かであるなら、宇宙は収縮し、人類は退化し続けているはずである。
若しくは、
宇宙は膨張し続け、人類は進化し続けているなら、われわれは、加齢と共に老けることは好いことで、病気になりやすくなることも好いことで、死に近づいていることも好いはずである。
ところが、
宇宙は膨張し続けていると主張している宇宙論も、人類は進化し続けていると主張する進化論も、熱力学第二法則であるエントロピーの法則を主張している物理学もみんな西洋社会で生みだされたものです。
そして、
そんな西洋社会が今日(近代以降)では、先進社会として人間社会を支配していると言っても過言ではありません。
まさに、
先進性、すなわち、進化性の正体とは、錯覚度という症状の重さ(病気の重度)に他ならなかったのです。
従而、
利便性を追求する文明力という先進性は、われわれ人類を錯覚させる張本人に他ならなかったのです。