唯物的宗教

“宗教は阿片である”
中華人民共和国の始祖・毛沢東語録でもっとも有名な言葉である。
一神教世界観を有する西洋的思想に対して、多神教世界観を有する東洋的思想の中で誕生した仏教だが、仏教にはそもそも神の概念すらなく、一神教でも多神教でもなく無神教なのである。
無神教だが宗教なのである。
無神教だが宗教である仏教が東洋思想の中から誕生したのに対して、一神教から誕生したキリスト教の西洋世界で唯物的発想から科学が誕生したのは何故か?
キリスト教の教えの基底にあるのが三位一体説だが、この三位一体説こそ唯物的考え方そのものなのである。
父なる神と神の子イエスと聖霊を以って三位一体とする背景には、地球を構成する鉱物・植物・動物の三態説がある。
現に、地球の親である太陽という恒星は鉱物だけの星なのに、その子・地球だけが鉱物・植物・動物の三態で構成されているのは、まさに、選ばれた奇跡の星というわけだ。
キリスト教密教といわれる神智学が採用するのが三位一体説=三態説であり、更には、鉱物・植物・動物は単なる肉体だけではなく、魂というものがあって、魂のレベルには段階があるというわけだ。
動物は一般的には肉体世界だけの畜生であって、その中で人類だけが霊長類から進化した万物の霊長で、その魂レベルが鉱物・植物・動物という肉体レベルから、エーテル体、アストラル体、コーザル体・・・と進化してその先に神意識があるゆえ、人間は神の化身の姿だというわけである。
言い換えれば、
神の姿は人間の姿に似たものとする所以なり。
まさに、
唯物思想の背景にも宗教が入り込んでいた証明であり、現に、東西冷戦の東側陣営の盟主であったソ連では、共産主義というパリパリの唯物思想でありながら、ロシア正教という宗教が根元に依然残っていた点が、毛沢東の中華人民共和国との違いであったから、東西冷戦の真只中下、ソ連と中華人民共和国は袂を分かつことになったのである。
ソ連の崩壊で冷戦が終結したように見られる中で、中華人民共和国だけが東側陣営の中で生き残るどころか、21世紀に入って、アメリカの脅威になるほどの経済発展を遂げている背景にも、“宗教は阿片である”とするのが唯物思想ではなく、唯物思想も宗教だった所以に他ならない。
なぜなら、
宗教こそ集金マシーンの最たる手段であることを、否定する者など誰もいないからである。
宗教が一番儲かるビジネスである証明で、儲け主義こそ唯物主義思想の根幹にあることも、否定する者など誰もいないからである。
現に、“宗教は阿片である”と主張する毛沢東の落とし子である中国共産党が、依然支配しながら、西側資本主義世界の盟主アメリカと経済の覇権を争っているのである。
まさに、
唯物思想による最たる金儲けの手法とは、宗教に他ならない証明である。
先鋭資本主義思想に憑依された中国共産党が模範にした経済戦略こそ、金融資本主義をより先鋭化した貨幣資本主義に他ならず、その先鞭を切っていたのが長州ファイブと薩摩ナインティーンであった。