3.日本が仕掛けた日清戦争

人類史上はじめにして最後の広島・長崎原爆投下劇に、新しい事実が最近公表されたが、その理由を読み取るヒントが隠されていたことが垣間見えてくる。
広島・長崎原爆投下の1ヶ月前に、アメリカとイギリスが事前に合意していたのである。
太平洋戦争という名称は、勝者アメリカが命名したもので、敗者日本にとっては大東亜戦争であった。
まさに、「大東亜共栄圏」構想に基づく聖戦だった。
平たく言えば、中国や朝鮮を不条理極まりない欧米列強から守ってやるために日本が立ち上がった正義の戦いだったというわけだ。
それなら、結果的には敗北したにせよ、当の中国や朝鮮から感謝こそされ、非難轟々、挙句の果てに、戦後賠償問題をつきつけられるのは、ちと不条理過ぎるのではないか?
戦後日本人の正直な反応だ。
では、当時のアメリカやイギリスはそんな日本をどのように思っていたのか?
太平洋戦争開戦のきっかけをつくったのが、「ハル・ノート」であることは誰でも知っている。
「一兵卒たりとも残さず満州から撤兵せよ」
当時のルーズベルト政権下のハル国務長官からの最後通牒である。
太平洋戦争をしないための最後通牒に激怒した日本は止むかたなく、宣戦を布告したのである。
戦後の日本人はこう教えられてきた。
「坂の上の雲」にもこう書かれている、と先の中塚氏は同著で言う。

「『坂の上の雲』にみる朝鮮論(頁No.66)
日本が朝鮮に勢力を広げる上で、大きな一歩となった日清戦争の原因を論じたところで、(司馬は)こう書いています。
「そろそろ、戦争の原因にふれねばならない。
原因は朝鮮にある。
といっても、韓国や韓国人に罪があるのではなく、罪があるとすれば、朝鮮半島という地理的存在にある」
朝鮮でなにが起ころうと、なにを起こそうと、だれの責任でもない、それは朝鮮の地理的位置にある、北からは大国である清国やロシアの、そして南からは日本の圧力をうける「朝鮮半島」という自然の位置が罪作りの原因なんだ、と(司馬は)いうのです。
朝鮮を、清国やロシアと日本の間にはさまれている地理的空間としてだけ見て、それがあたかも日清戦争の原因でもあるかのようにいうのです。そして、こう書きます。
「清国が(朝鮮を属国視して)宗主権を主張している・・・ロシア帝国はすでにシベリアをその手におさめ、沿海州、満州をその制圧下におこうとしており、その余勢を駆ってすでに朝鮮にまでおよぼうといういきおいを示している。
(日本は)朝鮮を領有しようということより、朝鮮を他の強国にとられた場合、日本の防衛は成立しないということであった。
・・・・・・・・・・。
ともかくも、この戦争(日清戦争)は清国や朝鮮を領有しようとしておこしたものではなく、多分に受身であった」

しかし日清戦争の原因は元ネール首相も言っていたように、日本から清国に仕掛けられたものであった。
近々のシリア内紛における化学兵器使用問題でアメリカを筆頭にイギリス、フランスといった嘗ての連合諸国は、シリア政府に人権問題を理由に内政干渉したのも、イラク・フセイン政権、リビア・カダフィ政権に対する姿勢も、当時の天皇制ファシズムに対する姿勢と一貫して変わらないのである。
司馬遼太郎は当時の世界の目をわかっていて、こんな寝言を書いたのだろうか?
それとも、
天皇制ファシズムのプロパガンダの役割を担っていたのか?