第二章 大企業(カイシャ)の命運

(大)企業の概念は、第二次産業革命が起こった19世紀後半のアメリカにおいて誕生したが、イギリスにおいて19世紀前半に起こった第一次産業革命と共に、しょせん文明の第二の波の一環に過ぎない。
ところが、
同じアメリカにおいて、20世紀半ばに起こった情報化革命は、文明の第三の波となるほど大きなうねりとなって、皮肉にも(大)企業が消える運命を運んできたのである。
結局の処、
(大)企業の命運はしょせん19世紀後半から20世紀後半までの1世紀間しか持たなかった。
この事実を如実に証明しているのが、前述したゼネラル・モータースの栄枯盛衰の歴史だろう。
ゼネラル・モータースは20世紀前半の1908年創立の自動車会社で、中興の祖であるアルフレッド・スローンの事業部制経営によって1920年代にはフォード・モータースを抜いて世界最大の大企業となった。
一方、
松下幸之助率いる現在のパナソニックは1917年創業で、アルフレッド・スローンの事業部制経営を真似て1933年に日本ではじめて事業部制を導入し、東京オリピック開催の1964年および1970年開催の大阪万国博をきっかけに日本最大の家電メーカーとなった。
日米の典型的な大企業が文明の第三の波である情報化革命によって栄枯盛衰の運命に翻弄されているのである。