(その九)辞世の句

恵美子が「日本誕生」で演じた日本武尊(ヤマトタケルノミコト)は、天皇家の三種の神器のひとつである草薙の剣で有名だが、彼は伊吹山中で最後の息を引き取る前に、尾張の美夜受媛(ミヤズヒメ)に贈与し、以後、現在に至るまで、草薙の剣は、伊勢神宮にはなく、名古屋の熱田神宮に保管されている。
日本武尊(ヤマトタケルノミコト)は第十二代景行天皇の二男であり、皇太子でもあったにも拘わらず、天皇にはなれず、弟の稚足彦(わかたらしひこ)が第十三代成努天皇となっているが、第十四代天皇には、兄の日本武尊(ヤマトタケルノミコト)の子供、足仲彦(たらしなかつひこ)、後の仲哀天皇を指名した。
一方、契約の聖櫃(アーク)で有名な三種の神器のひとつであるアロンの杖とは、モーゼの兄アロンからの由来である。
アロンと日本武尊(ヤマトタケルノミコト)は同一人物であった。
日本の公式歴史書「記紀」のひとつ、「古事記」では、熊襲や蝦夷平定の事蹟は日本武尊(ヤマトタケルノミコト)によるものと描かれているのに、「日本書紀」では、日本武尊(ヤマトタケルノミコト)の父、景行天皇のしたものとされている。
モーゼと景行天皇が同一人物であった。
「日本誕生」の主人公、日本武尊(ヤマトタケルノミコト)は、「イスラエル誕生」の主人公、モーゼではなく、モーゼの兄アロンであったのは何故だろうか。
アロンは、ヤーベの神から十戒の石版をシナイ山で賜っている最中にモーゼを裏切った。
表の歴史が真実なのか。
それなら、モーゼが「イスラエル誕生」の主人公であり、景行天皇が「日本誕生」の主人公である。
裏の歴史が真実なのか。
それなら、アロンが「イスラエル誕生」の主人公であり、日本武尊(ヤマトタケルノミコト)が「日本誕生」の主人公である。
イスラエルと日本の誕生秘話がまるで逆さまだ。
イスラエルが表の世界であり、日本が裏の世界ということになる。
まさに、天津神の世界と、国津神の世界と符号する。
その鍵を握るのが、恵美子が「日本誕生」の最後に吟じる、日本武尊(ヤマトタケルノミコト)の辞世の句だ。
嬢女の 床の辺に 我が置きし つるぎの太刀 その太刀はや
(美夜受媛の家に置いてきてしまった太刀よ、ああ、今それがあったなら!)