(その九)メッセージの正体

1905年。
特殊相対性理論を発表したアインシュタインはスイスの首都ベルンの小さな下宿である使命を受けていた。
特殊相対性理論とは、それまでの絶対静止の座標系を否定して、互いに等速運動をしている座標系に関してはすべての自然法則は同一の形式を保つということを主張した理論であり、質量とエネルギーの等価性が導かれたもので、平たく言えば、粒子と波動は同じであるというわけである。
特許庁の一役人に過ぎなかった彼が、一躍、世界の科学者の第一人者になることが、彼に与えられた使命であった。
それから10年後の1915年。
彼は一般相対性理論を発表した。
特殊相対性理論が、光の媒質としてのエーテルの存在を否定、光速度がすべての観測者に対して同じ値を持つとし、また自然法則は互いに一様に運動する観測者に対して同じ形式を持つというものに対して、一般相対性理論は、特殊相対性理論を一般化して、すべての観測者にとって法則が同形になるという要請から万有引力現象を説明した。
そうすると、時間と空間は互いに密接に結びつけられて、4次元のリーマン空間を構成するというものである。
リーマン空間というのは、地球の表面が球体であることを指す。
一般の幾何学はユークリッド幾何学と言って、三角形の内角の和は180度になるが、地球の表面上では三角形の内角の和は180度以上になる。
つまり、我々の一般常識は実は嘘なのである。
1915年に発表した一般相対性理論でノーベル賞を受賞したアインシュタインは、ノーベル賞受賞の翌年の1922年に、当時既に東洋の哲学者として世界的に有名になっていた西田畿太郎の招待で来日し、京都大学で演説をした。
1922年のその使命のラスト・ミッションが実行に移されるために、日本にやって来たのである。
そして、このメッセージを世界に発信した。
“世界の未来は進むだけ進み
其の間、幾度か争いは繰り返されて
最後の戦いに疲れる時がくる。
其の時、人類はまことの平和を求めて、
世界的な盟主を崇めねばならない。
この世界の盟主たるものは
武力や金力ではなく
あらゆる国の歴史を抜き越えた
最も古く、また、
最も尊い家柄でなくてはならない
世界の文化はアジアに始まって、
アジアに帰る。
それはアジアの高峰、
日本に立ち戻らねばならない。
われわれは神に感謝する。
われわれに
日本という
尊い国をつくっておいてくれたことを・・・”