(その八)鼎の軽重の意義

ボーイング737型ショートレンジ機英国航空BA1811便でロンドンのガトウィック空港から午後12時55分にひとりの日本人青年がポルトガルのリスボンに向かって飛び立った。
一方、
ボーイング77W型ジェット機日本航空JL5055便で成田空港から午後9時55分にひとりの日本人女性がフランスのパリに向かって飛び立った。
その瞬間(とき)、奇跡的な偶然が起こった。
奇跡的な偶然の根拠は、BA1811便とJL5055便がまったく同じ瞬間(とき)に離陸したことにある。
離陸した場所は、イギリスのロンドンと日本の成田の違いがあるが、離陸の瞬間は同時だったのである。
離陸とは、地球の重力に抗がって地球から分離することに他ならない。
表現を変えれば、地球号という汽車から下車することに他ならない。
ボーイング737型ショートレンジ飛行機とボーイング747型ジャンボジェット飛行機が地球号という汽車から下車したわけだが、それぞれの飛行機に乗っている客は搭乗したままだ。
奇跡的な偶然が起こる確率はここで大きく変化するはずだから、更に大きな奇跡的な偶然が起こったことになる。
こういった出来事は確率的に極めて低いが、起こり得ることは確かである。
“鼎の軽重を問う”という慣用句があるが、この“鼎”こそが、奇跡的な偶然の可能性を問うているのである。
まさに、藤堂頼賢と畑恵美子が地球の鼎だったのである。
まさに、地球の鼎の軽重を問われる瞬間(とき)が終にやって来たのだ。