(その六)名前の語源

石上神宮に祭られているのは、フル(布留)、フツ(布都)、フツシ(布都斯)と呼ぶ神である。
正式名があるにもかかわらず、表音的に表現され、しかも祭神名として使用されているのは何故だろうか。
日本神道の神の名前は現代日本人の名前とは、ルーツがまったくちがう外国人のような変わったものばかりだ。
歴代天皇の名前は謚(おくり名)で呼ばれているが、それは崩御した後の名であり、一般人で言う幼名では、後代の天皇の名がすべて「仁(ヒト)」であり、先代の正式名は、まったく現代人では読むことが出来ない表音文字として使われた漢字である。
初代神武天皇は神日本磐余彦命(カンヤマトイワレヒコノミコト)、
10代崇神天皇は御間城入彦五十瓊殖命(ミマキイリヒコイニエノミコト)という、現代人には、ちんぷんかんぷんの名前だ。
それぞれの国、民族、厳密に言えば、言語によって、名前の特徴があって、名前を聞くだけで、何語を使っている、民族国家か判る。
たとえば、ロシア語を使う国は、・・・スキー、・・・ノフという姓が多く、名はその言語の発音特性だけで、彼らの信仰するキリスト教の聖書に出てくる祖先の名を取っている場合がほとんどである。
ロシア語でミハイルは、英語でマイケルであり、フランス語でミッシェルであるといった具合だ。
韓国では、姓がほとんど金(キム)であり、名で判断するしかない。
天皇家には姓がなく、名前だけで、しかも、ほとんどが先代では「彦・・命(ヒコ・・ミコト)」、後代では「仁(ヒト)」だ。
韓国人の名前をつけるのと同じ特性を持っている。
韓国では、姓はほとんど「金」で片付けてしまうのと同じように、天皇の姓といってよい正式名は、まったく読むことさえ困難な名ばかりだ。
そして、その特徴は、男性には「命(ミコト)」と最後につける。
そして「彦(ヒコ)」も多くみられる。
そして「仁(ヒト)」。
いっぽう、女性には、「姫(ヒメまたはヒミ)」「巫女(ミコ)」そして「卑弥呼(ヒミコ)」だ。
最後の音節に「ミコト」で間に「ヒコ」がつくと男性、それが後代になって「ヒコ・・ミコト」が縮まって「ヒト(仁)」になったわけだ。
「コ」がつくと女性を表現するわけだ。
その名残が女性の名の最後に「子(コ)」をつけたのである。
これらの音節から何を想像するか。
「ひふみよいむなやこと」だ。
「ヒト」は男性。
「コ」は女性。
「ヒト」は天皇家で今も守られているが、一般女性の名の「子(コ)」が消えつつある。
これは何を意味するのか。