(その六)陰の支配者

ペテロのイエルサレム教団は、ユダヤ人だけの教団であったのに対して、イエス・キリストの教えを歪めたパウロのつくったアンティオキア教団は広くローマ帝国領内に住む者なら誰でも入信できる教団であったため、イエルサレム教団は小さな組織のまま、東方へと少しずつ広がっていったのに対し、アンティオキア教団は短期間で急拡大していき、最終的にはローマ帝国の国教にまで成長して、ローマカトリック、すなわち、ローマバチカンへと正体を変えて行くのである。
ここで彼らはトリックを施した。
イエス・キリストの教えを歪めたパウロのつくったアンティオキア教団がローマカトリック、すなわち、ローマバチカンの実体であるのに、表向きには、イエス・キリストの真の教えを説くためにペテロがつくったイエルサレム教団が前身であると嘘をついたのである。
ローマバチカンの大聖堂をサン・ピエトロ寺院と呼んでいるのが、そのトリックの種に他ならない。
実体はサン・ピエトロ寺院ではなくて、サン・パウロ寺院なのだ。
なぜローマカトリック、すなわち、ローマバチカンはこんなトリックを施さなければならなかったのか。
ローマカトリック、すなわち、ローマバチカンを表の最高法院にして、ローマ総督ピラトが最高法院の連中に念を押した話を未来永劫実現させないための対策だったからである。
「この人の血で手を染めたのは、わたしではなく、お前たちだ。
そのことの証拠として、わたしはここで手を洗ったことを記録に残しておこう。
お前たち子々孫々にまで、この祟りが来ることを覚悟するがいい」
ローマ総督ピラトの言葉に対して、彼らは嘯いた。
「自分たちの子々孫々まで、今日のことを受け止めてみせよう!」
彼らの運命を受け止める対策が、ローマカトリック、すなわち、ローマバチカンに仕組まれたトリックだったのである。
更に、彼らは念を入れるため、表向きの最高法院としてのローマカトリック、すなわち、ローマバチカンでは安心できず、彼らの最高法院を未来永劫存続させるために、陰の最高法院をつくっておいたのだ。
陰の最高法院のことをサン・ヘドリンと呼ぶ。
この陰の最高法院であるサン・ヘドリンがポルトガルのリスボンにあるのだ。
話は逸れるが、南アメリカの中で唯一ブラジルだけがポルトガル語圏の国で、他の諸国はすべてスペイン語圏である。
ポルトガル語圏のブラジルの大都市サンパウロは、サンピエトロではないのは、ポルトガルではサン・パウロが常識だからだ。