(その六)幕切れ

「鴨川をどり」の最後の時がやって来た。
舞妓は自分が一体何をしているのか自覚していない音痴人間の象徴に他ならない。
芸妓は自分が一体何をしているのか自覚している音痴人間の象徴に他ならない。
そして、
太夫は自分が嘗て自覚症状のない音痴であることに気づいて音痴を治した覚醒人間の象徴に他ならない。
「日本誕生」の幕切れが、日本武尊(ヤマトタケルノミコト)の熊襲退治ではなく、天の岩戸事件であることが、その証明であった。
天照(アマテラス)が舞妓の象徴であり、猿田彦(サルタヒコ)、すなわち、日本武尊(ヤマトタケルノミコト)が芸妓の象徴であり、天宇受女(アメノウズメ)が太夫の象徴であることを示唆するためであった。
日本武尊(ヤマトタケルノミコト)を演じた恵美子、すなわち、春若は芸妓であったがゆえに選ばれたのである。
天宇受女(アメノウズメ)を演じた倫子、すなわち、花若は太夫であったがゆえに選ばれたのである。
では?
天照(アマテラス)を演じた舞妓は一体何者であるのだろうか?
「日本誕生」の舞踊劇の幕切れであり、「鴨川をどり」の幕切れで、遂に、日本という国の真実の歴史が明かされる瞬間がやって来たのだ。