(その五)人類黎明期の罠(2)

1948年5月14日。
紀元69年以来1879年ぶりにイスラエルが再建され、アインシュタインが初代大統領の要請を受けたが彼は固辞した。
思惑が外れたのである。
1879年間も国の無い状態が続いてきたのに一夕一朝に再建される筈がない。
彼は日本に託していたのだ。
日本とイスラエルとの間に共通点がある。
オックスフォード英語辞典は言う。
ユダヤ人(Jew)とはヘブライ人の蔑称である。
オックスフォード英語辞典は更に言う。
ユダヤ人(Jew)とは不当な金貸し、悪条件の取引を行う者である。
オックスフォード英語辞典は更に言う。
(Jew)とは他動詞で「・・・をだます」、「・・・を欺く」という意味である。
ヘブライ人(He・brew)とは海を渡って来た人のことを指す。
海とはメソポタミア文明発祥の地・ユーフラテス川とチグリス川のことだ。
ユーフラテス川とチグリス川の合流地点のほとりにウルという町が今でもある。
ウルからシャトル・アラブ川がペルシャ湾に流れ出る。
その周りにサウジアラビア、クエート、イラク、イランの国境が犇き合う。
アダムとイヴの時代を下ること二十四代目、ヘブライ人の祖先であるアブラハムが誕生したのがウルの町だ。
アブラハムの時代を下ること二十四代目、モーゼが誕生したのは、ナイル川がカイロで分流して地中海の港町ポートサイドに向かうナイルデルタ東方の地・シェラキアであり、通称、カッターラと呼ぶ。
モーゼの時代を下ること二十四代目、イスラエル建国の祖・ダビデが誕生したのがヨルダン川西方、通称、ウェストバンクにあるイェルサレムだ。
ダビデの時代を下ること二十四代目、ユダヤ人の祖先・イエス・キリストが誕生したのが、やはりウェストバンクにあるベツレヘムだ。
人類の文明発祥は常に川と共にある。
由緒ある家系が紀元69年に消滅したのは、偶像崇拝禁止のモーゼの教えを破ったからだ。
モーゼの教えを引き継いでいるイエス・キリストを磔刑にしたユダヤ人は、キリスト教徒にとっては許されざる者だ。
イスラエル亡国の真の理由はここにある。
紀元69年以来、ユダヤ人の国は世界の何処にもなかった。
しかし、ユダヤ人たちは離散(ディアスポラ)してあらゆる国家に巣づいた。
彼らはユダヤ人ではなくて、ヘブライ人のユダヤ教徒のことで、ユダヤ教とはモーゼの教えに他ならない。
モーゼの教えという強烈な箍で束ねられたユダヤ教は、2000年近い離散(ディアスポラ)にも負けない結束力を有していた。
それ故に、他の教徒から疎んじられ、迫害を受ける運命を背負ってしまい、他の教徒を総じて非ユダヤ人と逆差別するようになった。
差別意識が差別を生む。
差別しない意識が差別する意識を生む。
第一次世界大戦そして第二次世界大戦が、ユダヤ人にとって思わぬ幸運の女神と不運の厄神とを同時に引き込んだ。
1948年5月14日。
イスラエルが1879年ぶりに建国されたが、その翌日の5月15日に、エジプトのナセル大統領をリーダーとするアラブ連合がイスラエルの首都イェルサレムに攻撃した。
第一次中東戦争の勃発だ。
イスラエル・パレスチナ紛争の幕が切って下ろされたのである。