(その十五)オスとメス

「虚空の船」という書物の中で、荘子は蝶々になった夢を観た逸話をしている。
ある日の朝、彼が憂鬱な顔をしていると、弟子のひとりが師匠の荘子に訊ねた。
「師匠は、どうしてそんなに憂鬱な顔をしているんですか?」
すると師匠の荘子がこう答えた。
「昨夜、蝶々になった夢を観たんだよ・・・」
怪訝な顔をして弟子は言った。
「蝶々になったって言っても、それは夢の話でしょ!」
そうすると荘子はますます憂鬱な表情をして、こう言う。
「それはそうだが、問題は、人間が蝶々になった夢を観たのか、蝶々が人間になった夢を観たのか、はっきりしないんだよ・・・」
弟子は狐につままれたような表情をして、更にこう言う。
「師匠、何を言ってるんですか!師匠という人間が夢の中で蝶々になった夢を観たのが当たり前じゃないですか!」
荘子はますます憂鬱な顔になって弟子に言う。
「そうならいいんだが・・・はっきりしないのが問題なんだよ」
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女性はどうやらこのことを本能的に知っているらしいが、男性がこのことを知るのはほぼ不可能に近いようだ。
それだけ男性は頭でっかちの生きものだからである。
逆に言えば、それだけ男性の方の大脳が進化しているわけだ。
爬虫類や両生類では大脳旧皮質しかないのに、哺乳類では大脳古皮質が生まれ、霊長類や人類では大脳新皮質が誕生したのは、一重に頭の位置の変化による。
地球の重力の影響を減らせば減らすほど大脳皮質が厚くなる。
それが知性の進化の正体だ。