(その十五)女性社会の緒

「ヤマトタケルノミコトは日本という国の高祖だと言われているから、『倭建命』だとか、『日本武尊』と呼ばれているのだ」
「『倭建命』は『倭』つまり、日本の国を建設した神さまだということだし、『日本武尊』も、『日本』を武力で治めた神さまだということだ」
ヤマトタケルノミコトが日本という国を治めた武力の象徴が草薙剣であり、須佐乃男命(スサノオノミコト)が出雲で退治した八岐大蛇(ヤマタノオロチ)の体の中から出てきた天叢雲剣(アマノムラクモノツルギ)こそが草薙剣である。
ヤマトタケルノミコトは第十三代景行天皇の長男だが天皇にはなっていないのに、何故、日本の国建国の祖だと言われているのかいまだに謎である。
長子相続は第十五代応神天皇からの因習であり、それまでは末子相続だった我が国で、天皇の長子だったヤマトタケルノミコトが何故、日本の国建国の祖だと言われているのか。
倭建命(ヤマトタケルノミコト)は天叢雲剣(アマノムラクモノツルギ)こと草薙剣(クサナギノツルギ)で有名な古代日本の英雄である。
倭建命(ヤマトタケルノミコト)は草薙剣(クサナギノツルギ)で以って現在の九州熊本県にいた熊襲(クマソ)を退治した話だ。
須佐乃男命(スサノオノミコト)が出雲で退治した八岐大蛇(ヤマタノオロチ)の体の中から出てきたのが、天叢雲剣(アマノムラクモノツルギ)である。
恵美子が演ずる倭建命(ヤマトタケルノミコト)が持つ草薙剣(クサナギノツルギ)が本物の草薙剣(クサナギノツルギ)であるらしい。
真の都は依然京都であることを、「三種の神器」で証明しようというわけである。
「日本の国建国の祖と天皇家との関係を明らかにすることによって、日本の帝都が平安京だけであることの証明ができるのだ」
「更に、現在の日本がヤマトタケルノミコトが建国した日本ではないことの証にもなるのだ」
「その切り札こそが、草薙剣に他ならないのだ」
障子の前に立っている恵美子に、鹿ヶ谷哲夫は諭した。
『えらい使命を背負ったもんやわ』
恵美子は身震いする境地だったが、鹿ヶ谷哲夫のその後の話を聞けば卒倒するかもしれないが、今は感動するばかりだった。