(その十三)ヤマタのオロチの正体

福澤綾子の手紙によれば、日本の裏の歴史は、出雲から始まっているらしい。
日本書紀という日本の公式歴史書では、伊勢が原点である。
伊勢と出雲は表と裏の関係であるらしい。
その真相がいよいよ赤日の下に晒されようとしているのである。

ヤマタのオロチ兄弟の本名は、上からイガ、ガガ、ヤガ、フガ、キガ、アガ、エガ、ズガと言う。
彼らの共通点は酒と女に目がないことだ。
だが、それ以外の点ではまったく違った性格と特徴を持っていた。
イガは情緒不安定で、いい時は優しい面が出るが、ひとたび切れると残忍そのものになる。
李生成はイガの残忍さを知り抜いて、今までにも新羅や百済との戦でイガを大将にして勝ち抜いてきた。
ガガは、まったく目立たない地味な性格で、何を考えているか李生成ですら分からなかった。
しかし、その目の奥に潜む残忍性は返って不気味であった。
ヤガは、
ガガと正反対で、賑やかそのもので、黙っていることが苦痛らしく、しょっちゅう喋っていて、思ったことはすぐ口に出す。
フガはお人よしで、酒と女好きを除けば善人だが、酒と女になると人格がなくなってしまう。
キガは変人だ。
いつも妄想に取り憑かれていて、李生成の後を継ぐのは自分だと大口を叩くが、いざ行動となるとまったく体が動かない、頭でっかちの男だ。
アガは完全な二重人格者だ。
言っていることと、やっていることが支離滅裂だ。
完全に精神障害をきたしている。
エガが8人の中で、一番狡猾で身勝手な男で、いつも自分の利ばかりしか考えられない男だ。
ズガが末子だが、やはり末子相続の慣習の一族だけに、何事にも優れているし、リーダーシップを発揮する。
一番恐ろしい男だ。