(その十二)有事の守護神

京都の鬼門中の鬼門である鹿ヶ谷の主が鹿ヶ谷家であり、鹿ヶ谷哲夫は国津神系の32代目当主である。
鹿ヶ谷哲夫には一人娘の澄江しかいないから、彼の後を継ぐ33代目は鹿ヶ谷澄江ということになる。
だが、この33代目が最後になるのが宇宙を貫く宿命なのである。
正物質と反物質で構成されている宇宙は、すべてが対になっているからだ。
X粒子の正物質と反物質とが衝突することによって、両者が消滅する代わりに、光が誕生して以来、宇宙の存在はすべて対(番=つがい)で構成され、進化するためには、自己が対消滅することによって、子孫に引き継がれていく対消滅の原理がメカニズムとして必要なのである。
このメカニズムは、人間にも適用され、オス(男)とメス(女)との対消滅によって、次世代に引き継がれていく。
だが、このバトンタッチは33代で終了する。
なぜなら、初代が始点なら、33代が終点であり、円回帰運動が完結するからである。
国津神系の初代当主が素佐乃男命であることは言うまでもない。
倭建命が中興の祖であることは言うまでもない。
彼らはみんな実在の人物であり、国常立命こそが、彼らの祭神に他ならない。
天津神系の神話と実在の系図が天御中主命と天照大神、そして、第125代平成天皇であるのに対して、国常立命と素佐乃男命が国津神系の神話と実話の系図であり、33代目の鹿ヶ谷澄江が最後になる。
無事の時代の守護神が天津神系であるのに対して、有事の時代の守護神が国津神系なのであり、まさに、現代は有事の時代なのである。