(その十一)歴史の節目

明治維新とはまさに易姓革命だったのである。
しかも、皇帝の独裁政治の中国の易姓革命と違って、二頭政治が伝統の日本において、易姓革命は秘密裏に為さればならない。
逆説的に言えば、表向きには、日本という国は万世一系の支配者が君臨していなければならないわけである。
ではなぜ、そのような複雑怪奇な体制を敷かなければならなかったのか。
その鍵が、二頭政治にある。
いわば、本音と建前の国家体制を敷かなければならない事情が、この国にはあったと言うことになる。
その事情を歴史の点として表象したのが南北時代だ。
嘘で固められた線の歴史の良心が点の歴史として後世に残したのが南北時代に他ならない。
南北時代という一時代を具現させた国家は悉く二頭政治という国家体制を性格として持っている。
古くは、北イスラエルと南ユダ。
新しくは、アメリカの南北戦争。
そして、その間に、日本の南北朝時代がある。
日本の南北朝時代の中心人物は、表向きには、足利尊氏と後醍醐天皇であるが、実のところは、室町幕府三代将軍足利義満なのである。
日本の歴史が大きく変えられる節目の出来事が、足利義満によって為されようとしたのである。