第四十四章 新しい社会への鍵

超格差社会の現象が経済先進国の間で拡大している。
まさに、
アメリカ(イギリスを含む)を先頭に、日本、中国、アセアン諸国へと拡大する、環太平洋圏の流れだ。
だが、世界を目を凝らして鳥瞰してみると、ふたつの流れが見えてくる。
フランス、ドイツ、イタリアを中心にしたヨーロッパ連合(EU)における、環大西洋圏の流れだ。
経済的には言うまでもなく、
環太平洋圏が環大西洋圏を圧倒している。
言い換えれば、
超格差社会は、環太平洋圏で拡大しているわけで、環大西洋圏では逆に超格差社会を牽制しているわけだ。
ここに、世界の大きなふたつの流れが見えてくる。
平たく言えば、
差別を拡大させようとする流れと、差別を縮小させようとする流れのふたつである。
まさに、
環太平洋圏が、差別を拡大させようとする流れだ。
環太西洋圏が、差別を縮小させようとする流れだ。
ところがである。
前述したように、
中国は、国の性格からして、差別を縮小させようとする環太西洋圏の流れになることが予測される一方で、インドは、国の性格からして、差別を拡大させようとする環太平洋圏の流れになるだろう。
これは一体何を示唆しているのだろう?
まさに、二十一世紀の世界模様が、クリスタルボールに垣間見えてくる。
畢竟、
アメリカと中国の対立は決定的なものへとなり、その前哨戦として、中国とインドの対立が先ず起こるだろう。
言うまでもなく、
その前提条件は、中国が格差社会から超格差社会に移行するかどうかに掛かっている点にあることは云うまでもない。
現共産党政権が、中国の格差社会化が拡大しようとしていることに警戒している所以は、格差社会、延いては、超格差社会の到来が革命へと繋がるであろうことを熟知しているからだ。
中国にとって、大きな選択の時期が刻一刻と迫ってきているのだ。
そして、中国の今後の動向が、二十一世紀に新しい人間社会が誕生できるかどうかの大きな鍵になることは間違いない。
その鍵は、中国が超格差社会になるかどうかに掛かっていると言っても過言ではないだろう。