第四十一章 差別の真の狙い

カースト制度は、
人間を四つの階級に差別する制度だ。
上から順に、バラモン(宗教者階級)、クシャトリア(武士階級)、ヴァイシャ(一般庶民階級)、シュードラ(農奴階級)という階級をつくった。
だが、
更にその下に、アチュード(不可触民)という階級をつくった。
同じように、
江戸時代の創始者、徳川家康も、インドのカースト制度を真似て、士農工商という階級制度を設けた。
だが、
更にその下に、穢多・非人(卑可触民)という階級をつくった。
ここに、
差別の真の目的があることを決して見逃してはならない。
そこで、
真の権力は階級に列挙されないことを思い出してもらおう。
つまり、
バラモン(宗教者階級)、クシャトリア(武士階級)、ヴァイシャ(一般庶民階級)、シュードラ(農奴階級)は全員、しょせん、被支配者側であることを理解しなければならない。
ところが、
バラモン(宗教者階級)、クシャトリア(武士階級)の連中は自分たちが支配者側であり、ヴァイシャ(一般庶民階級)、シュードラ(農奴階級)の連中が被支配者側であると勘違いしている。
更に最悪なのは、
ヴァイシャ(一般庶民階級)、シュードラ(農奴階級)の連中は自分たちが支配者側であり、アチュード(不可触民)の連中が被支配者側であると勘違いしている。
同じように、
士農工商の連中は全員、しょせん、被支配者側であることを理解しなければならない。
ところが、
士(武士階級)の連中は、自分たちが支配者側であり、農(農民)工(職人)商(町人)の連中が被支配者側であると勘違いしている。
更に最悪なのは、
農(農民)工(職人)商(町人)の連中は自分たちが支配者側であり、穢多・非人(卑可触民)の連中が被支配者側であると勘違いしている。
そして巧妙なのは、
カーストであるバラモン(宗教者階級)、クシャトリア(武士階級)、ヴァイシャ(一般庶民階級)、シュードラ(農奴階級)の連中は、この世で善行を積めば輪廻転生することで階級が上がれるが、アチュード(不可触民)の連中は輪廻転生しても永遠にアチュード(不可触民)のままとした点にある。
同じように、
士農工商の連中は、この世で善行を積めば輪廻転生することで階級が上がれるが、穢多・非人(卑可触民)の連中は輪廻転生しても永遠に穢多・非人(卑可触民)のままとした点にある。
まさに、
真の権力にとっては、
バラモン(宗教者階級)、クシャトリア(武士階級)、ヴァイシャ(一般庶民階級)、シュードラ(農奴階級)という階級は、しょせん、餌だったのである。
まさに、
真の権力にとっては、
士農工商という階級は、しょせん、餌だったのである。
畢竟、
人間という生きものは、かくも悪意に満ちたものであると同時に、かくも愚かな生きものである証明が、差別の意識に見事に顕れている。
“自分は偉いのじゃ!”
とみんな勘違いして他者を差別して自己満足し、実は、自分自身が差別されているのである。