第四十章 差別の歴史

人間社会に、差別意識が明確に発生したのは、今から3500年前のインドにおいてである。
すなわち、
カースト制度であることは前述した。
では、
なぜ3500年前のインドでカースト制度が誕生したのであろうか?
カースト制度は、当時のインドで誕生した、ジャイナ教やヒンズー教の原点であるバラモン教の教義であるヴェーダの中に書かれている、いわゆる宗教の教えであったことに注目しなければならない。
まさに、
宗教が差別をつくったのである。
この事実に、我々人間は自覚しなければならない。
インドをイギリスから独立するために、非暴力の無抵抗運動を起こしたマハトマ・ガンジーですら、カースト制度という差別制度を肯定したのである。
ではなぜ、今から3500年前なのか?
それを理解するためには、当時のインド亜大陸の事情を理解しなければならない。
それまで、インド亜大陸に住んでいたのは、ドラビダ人というアフリカン・ブラック(黒人)系の人種だった。
そこに、イラン、アフガニスタンに住んでいたアーリア人という白人系の人種が侵略するという事件が起きた。
そして、
インド亜大陸は、インド・アーリア人という新しい人種を生んだ。
爾来、
白人系のインド・アーリア人が支配するインド亜大陸になり、先住民だったドラビダ人は被支配人種になった。
そして、
支配する側と支配される側を明確にする目的で、バラモン教が誕生、その経典、ヴェーダの中心的教えである輪廻転生説の一貫として、カースト制度が生まれたのである。
生まれ変わったらよい人生が待っている身分と、何回生まれ変わっても決してよい人生が待っていない身分というとんでもない区分けが行われたのである。
差別の歴史の原点がここにある。