第四章 バブル経済以降変節した日本

「2008年世界金融危機」の発信源のアメリカで最大の問題が、大手金融機関幹部の報酬額だ。
アメリカ政府から公的資金(国民の税金)の援助を受けながら、数十億から数百億円(日本円に換算)の報酬を取っていたことが判った。
嘗て、クライスラーのアイアコッカ会長が、日本の大企業のトップの年俸(当時で平均3千万から1億円)の百倍以上にもなる、百億円を超える年俸を取っていたことが日本でも話題になり、アメリカという国が超格差社会であることが世界に知れ渡った。
当時の日本の大企業の新入社員と社長の年俸差は、およそ、8倍から10倍と言われ、責任の割には、トップの報酬は低く抑えられていた。
日本の大企業のトップに責任意識が欠如している理由は簡単だ。
報酬が不当に低く抑えられていたからであり、それが罪的側面としてあったからだ。
一方、功的側面としては、新入社員から社長まで、終身雇用制度と年功序列制度が巾を利かせた格差の極めて小さいのが当時の高度経済成長時期の日本だったのである。
日本が経済でアメリカを猛烈に追いかけていた時期でもある。
ところが、1985年にバブル経済が発生して以降、金融機関主導のマネー資本主義、すなわち、マネーゲーム経済になってから、日本でも、大企業のトップとボトムの給与格差が拡がっていった。
必然、アメリカ経済と同質になっていった日本の経済のファンダメンタルズは坂を転げ落ちていった。
その頃から、日本でも格差社会という言葉が巷間で囁かれはじめたのである。
まさに、1985年から1990年に日本で起こったバブル経済の発生と破裂が、日本にも格差社会を生んだのである。
そして、「2008年世界金融危機」で、嘗て、中産階級化社会と言われた日本も更に、超格差社会へと変節しようとしている。
日本の後を10倍の規模で追いかけてきた中国に、超格差社会が出現するのは、100%間違いないだろう。