第三章 台風の目・中国

いずれにしても、「2008年世界金融危機」が世界的規模の戦争と大きく関っていることは確かなようであるとすると、これから起こり得る世界的規模の戦争とは、一体どの国が中心になるだろうか。
誰が答えても、それはアメリカと中国になるだろう。
アメリカは、嘗て、ソ連との東西冷戦を制覇し、以後、名実ともに世界を支配する国家になって現在に至っている。
一方、ソ連と共に東側陣営のリーダー格だった中国は、市場開放政策を採って見事に生き残り、現在では、政治的のみならず、経済的にも、アメリカに次ぐ世界第二位の国家になった。
日本の高度経済成長を上回る速度で経済成長を遂げている中国だけに、目に見えない副作用は、日本に比べて桁違いに大きい。
日本の人口の10倍を誇る中国の急速な成長は、文字通り、日本の10倍の副作用を起こすのは当然である。
では、アメリカと中国の大戦争が起こり得る可能性はあるのかと問えば、今の中国の体制ではないだろう。
若しも、中国の体制が嘗ての毛沢東時代に逆戻りした時には、可能性は一気に膨らむ。
では、現在の中国という国が毛沢東時代に逆戻りする可能性はまったく無いと言えるだろうか?
前述したように、中国が急激な経済成長を遂げている水面下での副作用が表面化すれば、逆戻りする可能性は十分ある。
13億の人口の中国でいま貧富の格差が一気に拡がっている。
一部の大金持ちの中国人の周りに10億を超える極貧の中国人が存在する国が、急激な経済成長を続けた後に待ち受けているのは革命しかない。
なぜなら、13億の中国人が全員、日本の嘗てのように中産階級化するのは不可能だからだ。
革命によって生れ変わった新しい中国が、大戦争の台風の目になることは十分にあり得るだろう。
その鍵は、13億の人口を誇る国での超格差社会の登場如何に掛かっているのは間違いない。