第二十七章 商業(Merchant)の変節

経済が投資経済(実体経済)から投機経済(マネーゲーム経済)に変節したことは、メーカー(製造業)を変節させただけではなく、サービス業(商業)自体をも変節させていった。
商業の代表である、小売業、すなわち、大型販売店(Mass-merchandize)の変節である。
大型販売店(Mass-merchandize)の変節の典型が、ダイエーの凋落劇だろう。
小売スーパーからはじめたダイエーは、アメーバのように自己増殖をしていった。
そして、小売業に止まらず、プロ野球経営まで手を出すしまつの挙句に挫折してしまった。
止まるところをしらない拡大路線の原動力は、言うまでもなく、資金力にあったが、そのすべてを自己資金ではなく、金融機関からの融資に負っていたのが、ダイエーの挫折劇の最大の原因である。
平たく言えば、
自転車操業をしていた結果だ。
自転車は走っている間は倒れないが、ひとたび、止まれば倒れる。
売上が上がっている間は倒れないが、ひとたび、下がれば倒れる。
それが、自転車操業(借金経営)の宿命だ。
ところが、
ダイエーの凋落劇を、イオングループも学習せずに、同じことを繰り返している。
優良企業と云われたセブン&アイグループも学習せずに、同じことを繰り返している。
いまデパート業界で起こっている再編成劇も学習せずに、同じことを繰り返している。
まさに、
経済が投資経済(実体経済)から投機経済(マネーゲーム経済)に変節したことは、メーカー(製造業)を変節させただけではなく、サービス業(商業)自体をも変節させていったのである。