第二章 新しい悲劇

戦争のきっかけをつくるのは必ず経済問題であることは、古今東西の常識である。
政治問題に端を発した戦争もないことはない。
第一次世界大戦は政治問題が原因で起こった戦争であり、オーストリアのハプスブルグ家の皇太子夫妻が暗殺されたのがきっかけで大戦争にまでなったが、第一次世界大戦で敗戦したドイツ・オーストリア・ハンガリー帝国が負わされた天文学的数字の賠償責任による経済的疲弊は、次の第二次世界大戦の原因になったのであるから、やはり、戦争には経済問題が必ず絡んでいるようだ。
第一次世界大戦が「1929年世界大恐慌」を生み、「1929年世界大恐慌」が第二次世界大戦を生んだ。
逆もまた真なり。
第二次世界大戦が「1929年世界大恐慌」を解消し、「1929年世界大恐慌」が第一次世界大戦を終結させたとも言えるわけだ。
戦争が経済問題を解決する例は枚挙に暇がないし、経済問題が戦争を引き起こす場合も多々あるというわけである。
「2008年世界金融危機」が世界的規模の戦争を引き起こす危険性も十分あるし、世界的規模の戦争が「2008年世界金融危機」を解決する場合もある。
悲劇が新しい悲劇を引き起こす危険性もあれば、新しい悲劇が悲劇を解決する場合もある。
いずれにしても、「2008年世界金融危機」が世界的規模の戦争と大きく関っていることは確かなようである。