第十六章 日本新政権の公約

2009年8月30日。
戦後60年以上続いた自民党一党独占の日本の腐敗政治が、やっと、主権在民の政治に変わる日だった。
民主党が国民の切なる願いの下に新しい政権を奪取し、これから、国民の、国民による、国民のための政治を実行するのだ。
そこで、
アメリカの新大統領の公約と比較して、日本の新政権の公約を検証してみよう。
その骨子は、
先ず、
「税金の無駄遣いをなくして国民生活の立て直しに使う」ことが政権交代の意義だと位置づけ、「子ども手当」支給など手厚い家計支援策を前面に打ち出したのが最大の特徴だ。
新規政策を完全実施する2013年度には16・8兆円の財源が必要となるが、「無駄の根絶」などで確保できるとした。
外交では日米関係重視を鮮明にするなど現実路線に転換。
首相直属の「国家戦略局」を創設するなど政治主導の政策決定を目指すことも掲げた。
そして、具体的なマニフェストは「5つの約束」として、無駄遣い、子育て・教育、年金・医療、地域主権、雇用・経済の5分野で重点政策をまとめた。
主要政策の工程表を初めて作成し、10年度予算編成から、衆院議員の任期が切れる13年度までの4年間について、政策の実施時期を明記。
必要予算額と財源確保の具体策も盛り込んだ。
主な政策としては、中学卒業まで1人当たり月額2万6000円の「子ども手当」を11年度から支給(10年度は半額支給)するほか、10年度から高校授業料を実質無償化。
ガソリン税などの暫定税率を10年度から廃止し、高速道路無料化は段階的に始め、12年度から完全実施する。
農業の戸別所得補償制度は11年度から行う。
後期高齢者医療制度の廃止や月額7万円の最低保障年金の創設なども打ち出した。
そして、
財源は公共事業や補助金見直しなどの「無駄遣い根絶」で9・1兆円、財政投融資特別会計の運用益など「埋蔵金」の活用や政府資産の売却で5兆円、租税特別措置などの見直しで2・7兆円を確保するとした。
一方、
外交では、日米地位協定は「改定を提起する」とした。
インド洋での海上自衛隊による給油活動中止には触れず、当面継続する姿勢を示した。
そのうえで、実現のための「5策」として、
(1)政府に国会議員約100人を配置
(2)閣僚委員会を活用し、事務次官会議は廃止
(3)首相直属の国家戦略局を設置し、国家ビジョンや予算の骨格を策定
(4)事務次官・局長などの幹部人事は政治主導で実施
(5)天下りあっせんは全面的に禁止し、行政刷新会議を創設して予算の無駄を排除。
を打ち出した。

まさに、
日本とアメリカでほぼ同時に従来の政策から根本的に脱却しようとしているのである。