実行五十一日目

生まれた直後からしばらくは、我々は名無しの権兵衛でした。
その頃が、本物の自分でした。
しばらくして、記憶が蓄積され始めた。
記憶を蓄積するには、住所氏名が名札として、他者との区別のために必要です。
その頃から、偽者の自分が頭をもたげ始めました。
本物の自分から偽者の自分に変節したのは、自他の区分けが始まった頃です。
その頃をもう一度思い出すことです。