第一章 みんなが豊かな社会

この世の出来事はみんな必然であるという考え方は、われわれ人間社会だけに、神の概念や宗教の存在を許し、挙句の果てに、科学を万能のように盲信するような自己矛盾した錯覚人間をつくってしまった。
人類の数が少ない間は、この矛盾による問題もさほど大きくはなかったが、20世紀の100年間で、16億から63億と3倍以上の人口の爆増が、地球規模レベルの問題を惹き起こしたのが、この21世紀初頭であった。
では、
この世の出来事はみんな必然であるという考え方が、なぜ地球規模の問題まで惹き起こしてしまったのか?
必然性とは、原因があって結果がでる性質、すなわち、因果律のことで、結果が出るには必ず原因があるというわけである。
平たく言えば、
始まりがあって必ず終わりがある、というわけである。
そうすると、
始まりの前は一体どうなっているのか?
終わりの後は一体どうなるのだろうか?
こういった疑問が必ず湧いてくるが、われわれ人間レベルでは誰にも答えはわからない。
そこで、
人間を超えた存在が必要になり、神や、宗教や、科学に頼らざるを得なくなる。
ところが、
この世の出来事はみんな偶然となると、神は言うまでもなく、宗教など無用の長物になるし、宗教あっての物種である科学に至っては、その存在自体が百害あって一利もない代物になる。
いわんや、
質的優位性は量的劣位性を誘導し、質的劣位性は量的優位性を誘導するのが常識だった価値観がひっくり返り、質的優位性が量的優位性を誘導することが新しい常識になる。
そのとき、
みんなが豊かな社会が実現するのである。