第七章 無駄な死・無駄でない死

死には、無駄な死と、無駄でない死がある。
無駄でない死は怖れることはないが、無駄な死は怖れます。
わたしたち人間が死を怖れるのは、無駄な死だと思っているからに他なりません。
殺しには、無駄な殺しと、無駄でない殺しがある。
オスは身を守るために外敵と殺し合い、メスは餌を獲るために外敵を殺す。
これが生き物社会の掟です。
メスは殺し合いをするのではなく、殺すだけです。
オスは殺し合いをする。
狩をして餌を獲るメスは決して無駄な殺しをしないが、身を守るために外敵と闘うオスは無駄な殺しをします。
オスが死を極端に怖れる理由は、殺し合いをするからです。
メス社会を構成している生き物は、死を怖れることはないし、死の概念すらない。
オス社会を構成している生き物は、死を怖れる。
人間社会が戦争という無駄な殺し合いをする理由は、男性(オス)社会であるからです。
無駄な殺し合いが、無駄な死を招き、死を怖れる生を生きることになるのです。
無駄でない殺しは、無駄でない死を招き、死を怖れることのない生を生きることができるのです。
無駄でない殺しに善悪はなくて、無駄な殺しに善悪があるだけです。
無駄でない死に善悪はなくて、無駄な死に善悪があるだけです。
無駄でない死に方は、『今、ここ』を死んで生きることです。