第六十九章 覚醒と睡眠

死とは、五感の死だけであって、肉体の死ではない。
死とは、自他の区分け意識、つまり、部分観の死だけであって、肉体の死、つまり、全体感の死ではない。
わたしたちの人生は、醒めている人生と眠っている人生とに分かれています。
醒めているとは何が醒めているのでしょうか。
眠っているとは何が眠っているのでしょうか。
五臓六腑と言われる内臓は四六時中動いています、つまり、四六時中醒めていて眠っていることは一切ありません。
では何が眠っているのでしょうか。
五感と称する内臓を覆う外皮が眠っているだけのことであります。
つまり、自他の区分け意識が眠っているだけのことであります。
眠っている人生は、更に二つの人生に分かれます。
夢を観ている眠り(REM睡眠)の人生と、熟睡(Non-REM睡眠)の人生です。
夢を観ている眠り(REM睡眠)では五感はすべて機能しています。
つまり、醒めている人生と何ら変わりはありません。
つまり、夢を観ている人生は眠っている人生ではなく、醒めている人生に他ならなかったのです。
一方、熟睡(Non-REM睡眠)の状態が五感機能の停止している状態に他ならないわけです。
しかも、五感機能がすべて停止しているのは完全熟睡の状態だけであって、不完全熟睡の状態では五感の一部は機能しているのです。
夢を観ていない時の睡眠、つまり、熟睡している時でも目覚まし時計で目が覚めるのは聴覚が機能している証左であります。
従って、熟睡(Non-REM睡眠)は更に、完全熟睡と不完全熟睡の二つに分かれます。
結局の処、
生とは、醒めている人生、夢を観ている人生、不完全熟睡をしている人生、という三つの人生に分かれていることが解ります。
死とは、一時的完全熟睡という生との橋渡しをする不完全な死と、永遠の完全熟睡という死との橋渡しをする完全な死とに分かれていることが解ります。
わたしたちは、覚醒と睡眠の観念を変える必要があります。