第六十四章 真の輪廻転生

誕生と死とは、肉体と五感の往来動作に併なって発生・消滅する「想い」の誕生と死に他ならなかったのです。
肉体レベル、つまり、物質レベルでは、誕生も生も死もなく、ただ位相の変化、つまり、相転移現象に他ならなかったのです。
H2Oという分子化合物が、摂氏100度以上では水蒸気という気体になり、摂氏100度と0度との間では水という液体になり、摂氏0度以下では氷という固体になるように、気体から液体、液体から固体、そして再び固体から気体へと位相が変化することを相転移現象と言い、わたしたち人間の肉体も誕生・生・死という位相の変化をしているだけで、物質(水で言えばH2Oという分子化合物)としての肉体は誕生もなければ、生もなければ、死もないのです。
自己の肉体と他者(自己以外のすべてという意味での他者)の肉体との境界線である五感という蜃気楼(映像)が、個体としての「想い」を形成していただけのことであります。
誕生とは「想い」の発生であって、死とは「想い」の消滅であったわけです。
物質としての肉体には、誕生も生も死もなく、ただ位相の変化が起こっただけのことで、新しく発生したわけでも消滅したわけでもないのです。
“肉体は滅びても、魂(「想い」)は永遠に生き続ける”とする輪廻転生説ではなくて、“魂(「想い」)は滅びても、肉体は永遠に生き続ける”とする輪廻転生説が正しかったのです。