第六十二章 真の自由=死からの自由

近代社会の真の歴史は、自由主義と民主主義の相克の歴史であったと言っても過言ではありません。
ところがいつの間にか、自由主義と民主主義が同義語化してしまったのが近代社会の偽りの歴史であったわけです。
二十世紀に起こった社会・共産主義の誕生と台頭。
そして自由・資本主義との冷戦とその敗北。
恰も自由・資本主義が社会・共産主義に勝利したかの如く喧伝されている現代社会は、まさに錯覚の極みの人間社会を構築してしまっている。
自由・資本主義社会が民主主義社会で、社会・共産主義社会が専制独裁主義社会だったと思い込んでいる現代人であります。
しかし、自由主義と民主主義は表裏一体関係に他ならなかった。
しかし、資本主義と社会・共産主義とは表裏一体の関係に他ならなかった。
真の共産主義とは、社会主義とは正反対のものだった。
真の共産主義の根本にあるのはゲマインシャフト(共同社会)であります。
偽の共産主義、つまり、社会主義の根本にあるのはゲゼルシャフト(利益社会)であります。
資本主義と社会主義とが表裏一体の関係にある所以です。
資本主義は資本家を主人とした考え方であり、社会主義は労働者を主人とした考え方であって、支配・被支配二層構造の差別社会に変わりはありません。
つまりゲゼルシャフト(利益社会)であります。
形而下学的には、
共産主義社会とは、支配・被支配二層構造のない社会であります。
真の自由社会とは支配・被支配二層構造のない社会のことであります。
つまりゲマインシャフト(共同社会)であります。
形而上学的には、
真の自由とは、死からの自由に他なりません。
死からの自由を高度自由と言うのであり、真の自由社会=高度自由社会と言ってもいいでしょう。
「高度自由社会」とは死から自由になった人間社会のことに他なりません。
結局の処、国家や社会や会社や家族といった政治・経済・社会問題ではなく、個人の目覚めの問題であったわけです。