第五十七章 健康・病気の概念

“健康が好くて病気が悪い”という考え方が、わたしたち人間の錯覚だったのです。
健康とは、一体何なのか。
病気のない状態を健康と言うだけであります。
病気がなければ健康もありません。
病気があってはじめて健康の有り難さがわかるのです。
一生病気になったことのない人には健康の有り難さなどわからないのです。
癌でない状態・心筋梗塞でない状態・糖尿病でない状態・・・風邪でない状態、つまり、「・・・でない状態」を健康と言うのです。
「・・・のない状態」の「・・・」は病気です。
畢竟、健康とは、実体などなく、病気の不在概念に過ぎません。
好い・悪いというのは、自我意識(エゴ)にとっての好い・悪いという判断であって、本当の自分、つまり、全体観にとっては好い・悪いといった判断など一切ないのです。
自我意識(エゴ)は実現能力を一切持っていません。
何故なら、自我意識(エゴ)とは、過去・現在・未来に「想い」を馳せる部分観に他ならないからです。
実現能力を持っているのは、『今、ここ』を生きる全体観であります。
『今、ここ』を生きる全体観には自我意識(エゴ)が介入する余地はありません。
従って、
成熟した自我意識(エゴ)で以って、『今、ここ』を断続的であっても生きる以外、わたしたち人間にとっての道はありません。
そのためには、
“病気が好くて健康が悪い”とするコペルニクス的どんでん返しの考え方に変わらなければならないのです。
それがまさに、正しい概念(正しい「考え方」)に他なりません。
“健康が好くて病気が悪い”という考え方こそが、健康・病気の概念(健康・病気の間違った知識=健康・病気の間違った「考え方」)なのであります。
つまり、
“病気になりたくない”という病気の(不在)概念こそが、“健康が好くて病気が悪い”という健康・病気の概念(健康・病気の間違った知識=健康・病気の間違った「考え方」)に他ならないのであります。