第二十五章 自己への懺悔

“死は突然襲って来る”。
“死は随所にある”証左であります。
しかし、わたしたち人間は愚かにも“死はいつか必ずやって来る”という支離滅裂な考え方に嵌り込んでいるのです。
“死は随所にない”なら、“死はいつかやって来るかも知れない”、若しくは“死は永遠にやって来ないかも知れない”の何れしかない筈で、“死はいつか必ずやって来る”ことは絶対にあり得ません。
“死は突然襲ってくる”ためには、死を常に内在していなければなりません。
“死は随所にある”、つまり、死が実在で、生は人間が勝手に捏造したその不在概念に過ぎない所以です。
“病気は突然襲って来る”。
病気を常に内在しているからです。
つまり、病気が実在で、健康は人間が勝手に捏造したその不在概念に過ぎない所以です。
“不幸は突然襲って来る”。
不幸を常に内在しているからです。
つまり、不幸が実在で、幸福は人間が勝手に捏造したその不在概念に過ぎない所以です。
従って、
“メスは突然襲って来る”。
メスを常に内在しているからです。
つまり、メスが実在で、オスは人間が勝手に捏造したその不在概念に過ぎない所以です。
“悪は突然襲って来る”。
悪を常に内在しているからです。
つまり、悪が実在で、善は人間が勝手に捏造したその不在概念に過ぎない所以です。
“弱は突然襲って来る”。
弱を常に内在しているからです。
つまり、弱が実在で、強は人間が勝手に捏造したその不在概念に過ぎない所以です。
“愚は突然襲って来る”。
愚を常に内在しているからです。
つまり、愚が実在で、賢は人間が勝手に捏造したその不在概念に過ぎない所以です。
“貧は突然襲って来る”。
貧を常に内在しているからです。
つまり、貧が実在で、富は人間が勝手に捏造したその不在概念に過ぎない所以です。
“地獄は突然襲って来る”。
地獄を常に内在しているからです。
つまり、地獄が実在で、天国は人間が勝手に捏造したその不在概念に過ぎない所以です。
“悪魔は突然襲って来る”。
悪魔を常に内在しているからです。
つまり、悪魔が実在で、神は人間が勝手に捏造したその不在概念に過ぎない所以です。
“被支配者は突然襲って来る”。
被支配者を常に内在しているからです。
つまり、被支配者が実在で、支配者は人間が勝手に捏造したその不在概念に過ぎない所以です。
ところが、わたしたち人間は、随所にある、つまり、自己に常に内在しているモノを否定し、自分たちが勝手に捏造したその不在概念に過ぎないモノを肯定しているのです。
知性を得たが故の分裂症生き物・人間の所以であります。
もういい加減、この考え方を変えなければ、わたしたち人間の明日はありません。