第十章 突然の死 vs. 納得の死

死の概念とは、時間の概念に他ならない。
従って、時間の概念がなくなれば、死の概念もなくなります。
よくよく考えてみれば当たり前のことですが、死とは未だ来ぬ未来の出来事であり、『今、ここ』の出来事ではありません。
病死や事故死といった他殺の死は突然襲ってくるのがその証左です。
余命一年と医者から宣告されても、死は突然襲ってきます。
余命一ヶ月と医者から宣告されても、死は突然襲ってきます。
余命一日と医者から宣告されても、死は突然襲ってきます。
余命一時間と医者から宣告されても、死は突然襲ってきます。
余命一分と医者から宣告されても、死は突然襲ってきます。
余命一秒と医者から宣告されても、死は突然襲ってきます。
自分の命は自分で絶つ自殺以外の死、つまり、他殺による死は必ず突然襲ってきます。
自分の意志ではない死なのですから、突然襲ってくるのは当たり前です。
逆に言えば、自分の意志による死であれば、納得の死になります。
死が怖いのは、突然の死だからであり、納得の死ではないからに他なりません。
死自体が怖いのではありません。
予測不可能の突然だから怖いのです。
納得の死は自殺しかありません。