第二十六章 自殺

死を知らない他の生き物にとって、死ぬということは自然死することに他なりません。
死を知っている人間にとって、死ぬということは自殺することに他なりません。
自然死は自殺に他なりません。
それ以外の死は他殺に過ぎない、つまり、本来の死の在り方ではない。
ところが、わたしたち人間は病気で死ぬと思っています。
病死は、事故死と同じ他殺です。
他殺には必ず殺人犯がいる。
交通事故で死ぬのは車が犯人です。
病死で死ぬのは病原が犯人であり、それに手を貸している医者も共犯です。
主犯が医者であり、病原が共犯と言った方がいいでしょう。
病原も生き物ですから、自然の食物連鎖の法則の一環として存在意義がある筈であり、彼らを害敵とみなすのは人間の勝手な思いであり、それを唆す医者が張本人です。
山から下りてきた動物が田畑を荒らしたり、人間を殺したりするのに対して、人間(医者)は彼らを害敵とみなすが、彼らは単に食べ物を探しに来たに過ぎず、食物連鎖の法則に基づいた行為です。
殺しは食べる行為に過ぎず、自然社会での殺し・殺される行為は、食う・食われる行為に過ぎません。
だから、自然の中で生きる生き物には、食う・食われる行為があるだけで、死の概念はないのです。
死の概念を持った人間にとっての死とは、自然死、つまり、自殺しかないのです。