第七十八章 開放型自由社会主義―経済モデル(4)

利益が介入しない経済行為

ゲマインシャフト(共同社会)からゲゼルシャフト(利益社会)に変化した事によって支配・被支配二層構造の社会が生れた。
利益という概念が誕生したのは、将来への不安感つまり外敵から身を守る為の自己防衛意識による蓄積の観念から生じた。
近代になって誕生した企業の目的は、利益(資本家への配当や企業存続の為の蓄積)の追求がその本質であります。
組織である企業が利益を生み出す、つまり組織が利益を生む原点なのです。
組織の時代から個人の時代へ移り変わっていく「高度自由社会」では、利益追求型の組織(国家・企業)は消滅していくことになり、利益を追求しない個人のみが生き残っていくことになります。
利益追求の経済行為が冷戦の終わった二十世紀末頃より徐々に消滅しており、先進諸国のGDP(国民総生産)における営利事業の割合が減少傾向にあるのがその証左であります。
経済行為の変化の中で「NPO(Non Profit Organization)」といった非営利団体が注目されはじめています。
支配・被支配二層構造が生じることのない「高度自由社会」には、拝金主義からの脱却の切り札となる、利益の介入しない経済行為、つまり、ひとり一人が社会的使命を達成する事を目的とした経済行為が基本になっていくのです。